2014年7月アーカイブ
tpt は近泉ピット、稽古場、事務所の閉鎖にともなう大移動がようよう一段落し、隅田川右岸永代橋のたもと CoRichシェアスタジオ!茅場町 から夏の連続ワークショップでリスタートしました。
先ず、ストリンドベリ・ワークショップ
「俳優の芸術は、あらゆる芸術の中、一番むずかしく、また一番やさしい。」
「舞台に、一つのテーブルと二三脚の椅子があればいい、あと協調の精神で一緒に居る俳優の伝える言葉…」
「人生の様々な事象を探り、日常生活には見られぬ究極のものを大いなる闘いの中に見いだそうとつとめる」—ストリンドベリ 俳優の声で聴く『令嬢ジュリー』『債鬼』『勝利』は現在のわたしたちに100年を超え、強く訴え、多くの示唆を与えつづけてくる。2014シーズンのレパートリーとしてさらに展開したい。
続いて、7月22日〜CoRichシェアスタジオ!茅場町6Fで、シュニッツラー・ワークショップです。
20世紀ドラマ欧米のガイドブックは、1900年発表シュニッツラー「輪舞」、ストリンドベリ「死の舞踏」1904年チェーホフ「櫻の園」から始められます。
世界が激動する19世紀末〜20世紀初頭のウィーン、パリで戯曲、小説等多彩に活躍、「愛と死」をテーマに ひたすら進歩を目指す社会に抑圧されたタブー“非日常のリアル”、意識下の流れを探ったシュニッツラーの「輪舞」(1920年初演)「恋愛三昧」「広い国」を読み始めます。
田丸一宏は2013シーズン、ブレヒト・ワークショップから立ち上げ、ブレヒト初期作品『小市民の結婚式』に今の光をあて、音楽、ダンスを駆使したダイナミックな演出で目覚ましい成果を上げています。
tptワークショップは何かメソッドを“教える”“教わる”のではなく、身体的、想像的エクササイズを出発点に、俳優があらゆる想定の枠を外して、身体全部の感覚から生まれる「観察力」「想像力」を自分から試し、失敗を繰り返し<戯曲と俳優> <演出と俳優> <俳優と俳優>の関係をいかに生きたものにするかを、参加メンバー全員で実験する、芝居が出来上がるまでのプロセスの素朴な原始的な仕事の始まりです。
プログラム(上演作品)、スケジュール、キャスティングなどの公演の枠組みはワークショップを経て決まっていきます。
ですから、リハーサルプロセスは単に“台詞を練習し、動きを確認する”ための「稽古の場」ではなく、
ひとつの舞台作品を豊かに作り上げるために不可欠な俳優の自発的な「想像力」をエンジンに、演出家とともに如何に生きて舞台に存在するか、如何にシーンを生きたものにできるか、失敗を恐れず実験する
「創造の現場」です。
「公演」は、ワークショップ、リハーサルで獲得した真に生きた身体で舞台に存在し、自分たちが信じることのできる物語、私たちの生きる世界と私たちとの関係の物語を「舞台」からとどけ、「観客」と分かちあい、さらに成長していく「場」です。
tptシアターコースは “ゆるやかな劇団” のメンバーとして、1シーズンを通していくつものワークショップ、リハーサルプロセス、「公演」などtpt2014シーズンの活動に参加、共有していただくプロジェクト、
イメージは<HOME>です。
tptは1993年ベニサン・ピットで旗揚げからこれまで活動の重要な核として、若い演出家、デザイナー、俳優のための多様にワークショップを実施、そこからTPTフューチャーズプログラムというタイトルで多くの「公演」が生まれ、それぞれ高い成果を上げています。
‘95『チェンジリング』‘96『ピアノ』‘97『マッチ売りの少女』’98『勝利』『楽屋』『春のめざめ』‘00『地獄のオルフェ』‘02『BENT』 『火あそび』‘04『ANGELS in AMERICA』読売演劇大賞優秀作品賞‘06『血の婚礼』同最優秀デザイナー賞『スラブ・ボーイズ』同優秀作品・演出家賞‘07『三人姉妹』『ここからの距離』『PIAF』‘08『ミステリア・ブッフ』『ミザントロオプ』『広い世界のほとりに』’09『ウルリケ マリア スチュアート』など…。