2012年4月アーカイブ

門井均と私の交わした会話がTPT創設のきっかけとなり、20年が経ちました。当時のことはいまも昨日のことのように思い出します。

演劇は「風に書いた」芸術と言われます。生きたお芝居はなにも残さず幕を閉じます。私たちの記憶と想像力のなかにのみ、なにかを残すのです。

私にとってその記憶と言えば、日本との関係の始まりであり、それが私を永遠に変えてしまったことです。

その理由は、私たちのプロジェクトに参加いただいた方々にあります。皆さんがそれぞれユニークで、情熱のこもった、そして個々人にとって非常に貴重なものを投じてくださいました。それは決して忘れることができません。

当初からTPTのコンセプトは"情熱"でした。混沌として不合理な、そしてあわよくば、明瞭に伝わる情熱です。それは商業主義にとってはまずいコンセプトでしたし、求めるものが名声であれば最悪のコンセプトでした。しかし振り返ってみると、商業主義や名声といったものよりはるかによいものがTPTにはありました。発足当初からTPTは"生きて"いたからです。おそらく均も私も1、2年しか続かないと思っていたのではないでしょうか──目まぐるしく変化する世界、そしてさらに目まぐるしく変化する日本において、束の間のエネルギーをもたらすだけではないかと。なんだかんだ言って、西洋の若手演出家と日本の一劇団があやしげな親交を結び、「シンゲキ」の伝統を脱しようと試みただけでした。そんなものがうまくいくと思った人がいたでしょうか?
 
ところがTPTは今日もここに存在します。20年目。いまも日々、現在形で進もうとしています。

私は10年以上前に芸術監督を退きましたが、あの時代は、そして私たちがつくったお芝居は、私の演劇人生のなかで最も恵まれた瞬間でした。この記念すべき20年目にあたり感謝の言葉を申し上げます──均は素晴らしいアイデアをもたらし、門井絵璃さんは人間の生について常に深い洞察を示し、亘理智子さんは驚異的な腕前で混沌を整理してくれました。しかしなによりTPTフレンズの方々、ボランティアの方々、そしてお芝居やワークショップに足をお運びくださった方々、皆さんそれぞれに多大な貢献をしてくださいました。

皆さんのおかげで、私は日本を知る貴重な機会を得ました。そして日本と恋に落ちてしまったのです。

デヴィッド・ルヴォー

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It is now 20 years since Hitoshi Kadoi and I had the conversation that led to the creation of TPT. But I remember it as if it was yesterday.

It is said that the theatre is ‘written on the wind’. Nothing is left of a moment of living theatre once it is done - except in our memory and in our imaginations.

For me, that memory is the start of a relationship with Japan that changed me forever.

And the reason for that is the people who came to join us in our project, all of whom brought something of themselves that was unique, passionate, and immensely costly to them personally. It is something that I can never forget.

The idea of TPT from the beginning was passion - chaotic, unreasonable and, if we were lucky, articulate passion. It was a bad idea commercially, and terrible idea if what you wanted was fame. But, looking back, I think it had something far better than those things: because, from the start, it was alive.  I suspect Hitoshi and I thought it would maybe last for a year or two –  a moment of energy in a rapidly changing world and an even more rapidly changing Japan. After all, it was at the time an odd intimacy between a young director from the West and a Japanese theatre shrugging off the tradition of ‘shingeki’. Who would have expected it to work ?

But here TPT is today. 20 years on. Still trying to make every day the present tense.

Although I ceased to be Artistic Director more than ten years ago, I think of that time, and the theatre we made, as the luckiest moment of my working life. And this 20 year anniversary is a good moment to say thank you to Hitoshi for his idea, Eri Kadoi for her ceaseless insight into human life, and Tomoko Watari for her astonishing ability to organise chaos. But above all, I want to thank the friends of TPT, every volunteer, and every person who attended the shows and the workshops, for giving so much of themselves.

It is because of you that I had the privilege to learn about Japan. And, in the end, fall in love with Japan.

David Leveaux
作◎フェデリコ・ガルシーア・ロルカ 訳◎広田敦郎
演出◎門井 均 美術◎朝倉 摂 衣裳◎萩野 緑 音楽◎かりん
出演◎安奈 淳
   井料瑠美
   広瀬 彩 秋定史枝 堀 杏子 蓮見のりこ 森ほさち
   野崎美子 菊池ゆみこ
   大道朋奈 清水あつこ 棚橋由佳 浜田えり子 藤原 恵 三間京子 尹 美那
   谷 英明 中川香果 廣畑達也 三上 剛
期間◎2012年5月9日〜5月20日
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7:30 7:30   5:30 7:30     7:30   5:30  
会場◎BankART Studio NYK/NYKホール (みなとみらい線 馬車道駅 6出口[赤レンガ倉庫口]徒歩4分)
   231-0002横浜市中区海岸通3-9
料金◎全席自由:5,500 円 25歳以下(tpt電話予約&当日券のみ取扱):3,000円
前売開始◎4月15日(日)
チケット取扱◎tptオンラインチケット:www.tpt.co.jp(PC) www.tpt.co.jp/m(携帯) tpt電話予約:03-3635-6355
       チケットぴあ(Pコード=420-482)
お問い合わせ◎tpt - シアタープロジェクト・東京 Tel.03-3635-6355
文化庁委託事業「平成24年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
主催:文化庁 / 有限会社シアタープロジェクト・東京 制作:有限会社シアタープロジェクト・東京

夫の死後、一家の主人として5人の娘たちを支配するベルナルダ。性のエネルギーが渦巻く家で、鉄の支配と自由への渇望とが衝突し、やがて破滅と死が訪れる。

詩人フェデリコ・ガルシーア・ロルカは、この愛と欲望と抑圧をめぐる女のドラマを完成させた2ヶ月後、1936818日未明、右派フランコ軍の支持者らによって銃殺された。フランコ政権下のスペインでロルカの作品は発禁となり、1975年までロルカを自由に語ることは許されなかった。


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