2011年8月アーカイブ

フォーシングハウス!
『大と小』いよいよ上野ストアハウスにはいりました。
tptがベニサン・ピットで活動を始めた頃、芸術監督デヴィッド・ルヴォーと
よく使っていた言葉と感覚が思い出てきています。
チーム全員がありったけクリエィティブなエネルギーをぶちこんで劇場全体が高圧力釜になるというイメージです。

『大と小』@上野ストアハウス とてもいい出会いです。
礒沼陽子デザインのセット、橋野明智デザインのライティングが仕込まれ、
立ち会っている手塚さんはあらたな手応えを得て、
客席であらためて台本チェックしつつ明日のキャスト入りを待っています。
『大と小』 to The 上野ストアハウス
tpt riversideスタジオでのリハーサルも明29日で打ち上げ、いよいよ30日から上野ストアハウスに入ります。

ランスルーのあと、いくつかのシーンをさらに深く、強いものにするための
リハーサルが10時過ぎまでつづいています。
ロッテも血まみれ? になってリハーサルに取り組んでいます。
並行して、下の階では衣裳さん、演出部の精鋭と手練れの応援メンバーによる、
物作りも最終工程に入って、舞台に登場する全てのものが姿を現しはじめ、
俳優たちの存在がますます生き生きとしてきました。

明日、総仕上げのランスルー、
そして6月にオープンしたばかりの新しい劇場 上野ストアハウスに入ります。
いままでに観たことのない、まったく新しい 「劇」が生まれることへの期待がつのります。
ロッテの旅……
「大地は生きる、もしくは揺れる。人間は自分自身の姿を見失った。」
「見よ、人間はこの地を去り、すべての営みから解放される。
背後では大地が赤く染まる、恥じらいと肥沃さで。」
ツアー旅行先のモロッコでロッテは男たちの声を聞き、さらなる遍路の旅を始めます。

ロッテは都会のファンタジーを旅する天使。
壁を抜け、夫婦の寝室、アパート、家庭、役所、病院をエネルギッシュに駆け抜けます。

ランスルーの後、いつもより早めにリハーサルが終わり、屋上に上がって花火をみる。
マンション、オフイスビルの狭間に上がる都会の花火にロッテの旅が少し重なりました。

ロッテの旅…
私たちのロッテ宮本裕子さんはこれまで「ピーターパン」「レ・ミゼラブル」などのヒットミュージカルをはじめ、
シェークスピア、チェーホフなどの古典、「エヴァ 帰りのない旅」「エレファント・パニッシュ」「春琴」など内外の
一流の演出家たちと仕事を共にし、豊かに女優としてキャリアを重ねてきています。
読売演劇大賞第1回杉村春子賞、紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞を受賞しています。

「クリオネ」川村毅作・演出で共演している手塚さんは「演出家として容赦なく向かい合っていける女優」
ということもあり、キャストのなかでも最も厳しいノートとディスカッションに多くの時間をかけています。
宮本さんは「楽しくて、幸せな時間」と受けとめて生き生きとリハーサルが進んでいきます。
リハーサルもいよいよ終盤、ランスルーがはじまり、デザイナーたちも集結、衣裳、小道具なども姿を現し
ロッテのストーリーはより深く、より強く確かなものとして差し出されてきます。

明日は開催が懸念されていた隅田川の花火大会です。

tpt19th 秋/冬シーズンは、上野ストアハウス9月2日初日の『大と小』 を皮切りに、
11月17日初日『袴垂れはどこだ』 すみだパークスタジオ倉(錦糸町)
12月15日初日『プライド』 d-倉庫(日暮里)
隅田川をはさんでスカイツリーがのぞめる、東京の下町の新しい劇場で展開していきます。
ロッテの旅……
tpt19thシーズン、ピンター作『恋人』のサラ、ロルカ作『イェルマ』のイェルマも、それぞれの社会における
制度としての「結婚」、女性の生き方、アイデンティティを探っています。
ボート・シュトラウス作『大と小』のロッテも夫に拒まれ、自分の居場所を探し、世界を駆け抜ける旅をします。
ロッテを演じる宮本裕子さんは読売新聞のインタビューに、
「ロッテが次第に狂う、静かに壊れる、微妙に社会とずれてしまう役を演じたら、私の精神状態も限界に
追いつめられる」と答えています。
1978年、ドイツの巨匠ペーター・シュタイン演出によって世界初演された『Gross und klein 大と小』。
アカデミー賞女優ケイト・ブランシェットはこのロッテを演じることを切望し、リュック・ボンディ演出により
ホームグランドのシドニーで今年12月、そして来春ロンドンでの上演が決まっています。
tptは2009年、ベニサン・ピットがクローズしてすぐ、隅田川に2ブロック近くのビルにスタジオを確保できました。

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1993年スタートからのプロダクションに登場した衣裳、小道具、家具・食器類
などなどが保管されています。
2009年『醜い男』 ドイツ人演出家トーマス・オリバー・ニーハウスのリハーサル
からこれまで、ほとんどのワークショップ、リハーサルがここで展開しています。
『大と小』は90人をこえる参加者による最初のワークショップからはじまり、
次のオーディション・ワークショップ、リハーサルが猛暑の中つづいています。



スタジオではシーンワークと併せ、キャストによるたくさんの椅子をつかったシーンチェンジのリハーサルが始まり、
椅子の持ち方、歩き、テンポと、細かく飛ぶ手塚マジックがロッテのストーリーをぐんぐんと際立せていきます。

手塚演出の活気あるリハーサル(英語が飛び交わない、より緊密、親密な)に、『テレーズ・ラカン』にはじまり
『あわれ彼女は娼婦』『背信』とつづいたスタートシーズンにあったのとおなじような高揚感を感じています。

『大と小』は奇妙な名のついた10のシーンから成り立っています。
 Ⅰモロッコ Ⅱ寝ずの番 Ⅲ10の部屋 Ⅳ大と小 Ⅴ停留所 Ⅵ家族と 庭にて
 Ⅶ間違い電話 Ⅷディクテーション Ⅸ吐き気がする天使 Ⅹ待合室にて

欲望/妬み/無関心/強欲/見境のない熱狂/混乱/災難/人間は自分の姿を見失った

酷暑のさなか、手塚さんの透徹な解析で、登場人物に命が吹き込まれ、
シーンを生きたものにするための緊密なリハーサルが続きました。
そしていま、それぞれのシーンをつなぐ活気あるリハーサルがエネルギッシュにつづき、
ロッテの世界、世界を駆け抜けるロッテの旅がだんだんに見えはじめてきています。


手塚演出が凄い……
tpt初演出作品は、2008年ベニサン・ピットでのフランス古典モリエールの『ミザントロオプ』です。
若い俳優、若いデザイナーたちと共にワークショップから立ち上げ、辰野隆の詩的な翻訳に真っ向から取り組み、
現代の視点から古典に清新な風を送りこみ、高い成果を上げました。

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tpt67 『ミザントロオプ』手塚とおる演出 萩野緑美術

俳優としてtpt出演作は
デヴィッド・マメット『アメリカン・バッファロー』 ボート・シュトラウス『時間と部屋』
キャリル・チャーチル『A Number』 エルフリーデ・イェリネク『ウルリーケ メアリー スチュアート』
と、いずれも20世紀を代表する世界の劇作家の問題作に出演しています。

また『ミザントロオプ』演出から、自身の演技キャリアで獲得した身体言語、身体表現を若い俳優たちと
共有できるように、継続的にワークショップを実施しています。
6月のオーディション・ワークショップでは最終日に、”3.11、それ以後、あらためて私たちにとって
「現代演劇とは何か」という問題を考えよう。” と参加者にメッセージを発しました。

猛暑をへて今、ワークショップから立ち上がった『大と小』リハーサルは9.2初日に向けて最終クールに入りました。
手塚さんを中心に、ロッテ(膨大な台詞量)の宮本裕子さんと15人のカンパニーそれぞれが、ドイツの劇詩人の
難解といわれる作品に対し、台詞で論理を、身体で詩を表現するという大きなテーマをもって取り組み、
舞台で生き生きと真に存在することを目指して、より緻密さをまして活気溢れるリハーサルが連日続いています。




tptは2009年ホームグランド ベニサン・ピットがそのユニークな歴史に終止符を打ってからこれまで、
tpt@The Other Place として活動を続けています。
最初のプロダクションは、 ドイツ人演出家によるドイツ戯曲マリウス・フォン・マイエンブルク作『醜い男』 
横浜、日本郵船倉庫跡に展開するまったく無垢なスペースBankART Studio NYKでの公演でした。

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tpt2011年秋・冬シーズン 
第1弾『大と小』手塚とおる演出で、上野に新しくオープンしたばかりの上野ストアハウス
続いて11月 『袴垂れはどこだ』千葉哲也演出で、錦糸町の新しいスペース すみだパークスタジオ 倉
そして12月 『プライド』小川絵梨子演出で、日暮里 d−倉庫
東京下町の新しい小劇場で3作品連続公演いたします。

tpt79 『大と小』セットモデル@上野ストアハウス by 礒沼陽子

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上野ストアハウスは今年6月に東京、上野にオープンした客席数100の小劇場で、
劇場オーナーの心意気と、高い志の溢れる生き生きとしたスペースです。

美術デザイナー礒沼陽子さんとtptはスタートした1993年から、ベニサン・ピットで共に活動してきました。
デヴィッド・ルヴォー、ロバート・アラン・アッカーマン、ジョン・クローリーなど外国人演出家にその才能を愛され、
『令嬢ジュリー』 『橋からの眺め』 『マッチ売りの少女』など数多くの傑作舞台を生み出しています。

異能の演出家手塚とおるさんとのコンビによる『大と小』は、16人のカンパニーの個性が舞台上に生き生きと
存在し、上野ストアハウスにエネルギーの渦が巻き上がる素晴らしい劇空間が広がることでしょう。

tptはこれまで、
"ヴェデキント・プロジェクト"として、『春のめざめ』 串田和義演出/『ルル』 デヴィッド・ルヴォー演出
ボート・シュトラウス作『時間と部屋』 トーマス・オリヴァー・ニーハウス演出
『皆に伝えよ! ソイレント・グリーンは人肉だと』 ルネ・ポレシュ作・演出
マリウス・フォン・マイエンブルク作『醜い男』トーマス・オリヴァー・ニーハウス演出
と、ドイツ演劇の作品にも挑戦してきています。

『大と小』演出の手塚とおるさんは、tpt43『時間と部屋』に出演、
難解といわれる作品に、ドイツ人演出家トーマスとともに格闘したきた経験があります。
演出家としては、tptでモリエール『ミザントロオプ』をワークショップから若い俳優たちとともに立ち上げ、
高い成果を上げています。
さらに、若い俳優のための身体言語、身体表現に関するワークショップを継続して実施しています。
今回も90名を超すワークショップ参加者の中から、それぞれバックグランドの異なる個性的なキャストが揃い、
ヒロイン、ロッテの宮本裕子さんを中心に素晴らしく魅力的なカンパニーが生まれました。

酷暑の中、9.2上野ストアハウスでの初日を目指し、連日緊密なリハーサルが続いています。
また笑い声が絶えない稽古場でもあります。
とても おかしい 芝居になっています。

tptフューチャーズ・プログラム - 2011
PinterWAVE! 2 - Work in Progress

『セレブレーション』

作:ハロルド・ピンター 訳:広田敦郎
演出:岡本健一 美術:朝倉摂

「もうひとつ、お邪魔して申し上げたいのですが……」
 ファッショナブルな一流レストラン、欲望の勝利を祝う乱痴気パーティー。
 資本主義社会の品性を問う、ハロルド・ピンター最晩年の痛烈コメディ。

出演:石橋真珠 岩瀬あき子 片岡ちひろ 佐藤真希 斎藤萌子 常石梨乃 浜田えり子
遠藤典史 江前陽平 奥山滋規 加治慶三 小林賢治 長尾卓磨 原啓一 松下太亮 渡邊亮

2011.9.12-25
7:30pm開演
休演日=木曜および9.18 & 23
新・港村劇場

新・港村 小さな未来都市
〒231-0001横浜市中区新港2-5 新港ピア
横浜みなとみらい線 馬車道駅6番出口[赤れんが倉庫口]
万国橋・ワールドポーターズ方面へ新港ふ頭まで直進 徒歩約10分

料金:自由席2,200円 ※加えてご入場の際、新・港村パスポート=300円が必要です。
8月24日(水)より予約開始。
電話予約:03-3635-6355
オンライン予約:PC=www.tpt.co.jp 携帯=www.tpt.co.jp/m


『セレブレーション』 

ハロルド・ピンター作
岡本健一演出

Twitter専用アカウントをつくりました。
出演者がつぶやいてます!


『大と小』の稽古後、8月生まれの森ほさちさん、秋定史枝さん、篠山美咲さんのお誕生パーティーをしました!


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 ロウソクとチョコの文字が溶けています 笑

ケーキは演出家の手塚とおるさんから、ピザは宮本裕子さんから!

和やかなムードのパーティー。


素敵なカンパニーです。


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